あまり天気の良くなかった休日、雲の切れ間からひと時だけ日差しが降り注いだ昼下がり
心待ちにしていた温もりを求め、窓辺にとことことマンチカン達が憩いにくる
先ほどまでの灰褐色で味気ない色彩が冬のお日さまに輝いた室内
いつもなら心躍らせるのに、なぜか冷静になる
そんな思いに気付いたか、私を見つめる
見つめ返して瞼を閉じると、菊之助もまた瞼をとじる
ねこはアイコンタクトをとる
普段はクールで気分屋で、興味がないときはそっけないけど
疲れた下僕を察すると静かに寄り添ってくる
温もりに視線を落とすとこちらをみつめるガラス玉のような瞳
元気出せよとかたりかけてくる
ありがとうとそっと触れる… 触れようとすると…
スッと逃げられる…
いやいや、いましがた心かよわせたろうに
少し身を引いた菊之助にそっと近寄り… 近寄ろうとすると…
手の届かぬ距離へ…
いやいやいや、ここはお互いを感じあう場面でしょうが、
撫でさせろとにじり寄るり…にじり寄るのをひらりとかわしキッチンへ。
そしてひと鳴き。
さきほどの甘えはどうやらお食事の催促かよ。
疲れた体に鞭を打ち、カリカリのご用意をするそんな休日でございます。
満腹の後ももちろん、近寄りゃしませんつれない菊之助でございました。
[addyt]