もう一匹の同居人、お習字を嗜んどるのでございますが、わがアジトでも修練にぬかりがございません。
書道は書の道。文字の美を心行くまで追求する精神真髄教え。
私にはさっぱりで申し訳ございませんで、とんと無縁のことなれど、修行に励む彼の者の精神統一を乱すわけにはまいりません。
そう、かしましいマンチカン達から。
古来、“文房四宝”と言われるのが、筆と紙、墨、硯。人間によって珍重されてきたようですが、そのうちの筆と紙に毛氈(書道下敷)“猫遊具三宝”としてわがアジトのニャンズに勝手に愛玩されております。
そんなわけで聞き及ぶところのお稽古する際の猫の作法。
筆を取り出す。じゃらしと勘違いして目を輝かせる。飛び掛かる。
(筆は剣より強く猫よりも弱し-ふでで遊ぶ-)
用紙を広げる。新聞紙ですら例の調子ですので、言わずもがな。覆いかぶさる。
そして、書道下敷き(毛氈と呼ぶらしい)、就寝用のマットと思っておるのか。
書道下敷きを広げると、おうご苦労とノコノコ上に歩いてまいって、よっこらしょっと座る。そして寛ぐ。
–同居人の筆さばきを監視中の菊之助–
–菊之助に意見を求められるも、わたしゃわかりませんよ…–
–遊びにつながらず飽きたご様子の菊之助–
さらに下敷きはお片付け後も大人気で、クルクル丸めて置いておるのですが、
潜り込んだりけりぐるみにされたりと特に力丸の餌食となっております。
もちろん猫の毛だらけになっておる次第でございます。
下敷きはヒツジやラクダなどの動物の毛、化学繊維何ぞでつくられておるようですが、毛に猫毛が絡みつき、更にふかふか度がアップ。
道場へ出向く際は毎度準備にコロコロ度の時間もアップが風物詩となっておる、秋冷加わりますこの頃でございます。
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